2015年12月30日水曜日

「エレ」の筆箱


死んだじーちゃんが、小学校の入学祝いに買ってくれたELLEの筆箱。6年生までエレって読んでた。中には、お父ちゃんが書いてくれたネームプレート。ずっと大事に取っておいたけれど、ついにカビが生えてしまった。今までご苦労さま、エレ。


2015年12月15日火曜日

こんちは、ボロ市。


毎年恒例の世田谷ボロ市へ。
なんだかんだ 毎年足を運んでいるので、だいだい行きたいお店が決まっています。そりゃ「犬も歩けば棒に当たる」といいますから、探せば何かしら出会える、それがボロ市の楽しみでもありますが、なんせヒトが多い。前を歩く じぃじばぁば(しかも急に止まる)に歩調を合わせるのにも一苦労。そんなこんなで今年は、入り口付近の片道だけ見て帰りました。

そして忘れちゃいけない、ショップカードを作成させていただいた「花と古道具urikke」さんがボロ市 初出店!おめでとうございます!一目惚れした満月もようの花瓶を譲っていただきました (家の酒瓶とツインズで並べると可愛いんだな) 。そうこうしていると、urikkeワールドに惹かれてやってきたオバサマが「これ、いただいて良いの?」と、わたすの作ったショップカードを手に取ってくださったではないか!なんと嬉しや〜!実際に手に取っていただけるのを、直に拝見できたのがとても嬉しかったです。わーい。

明日(12/16)の20時までやってます。花と古道具urikkeさんは〈世田谷駅からボロ市会場→屋台数件→セブンの前のテント〉です。あと、「小倉商会」さんという、藍染めなどを置いているお店も素敵です(タイのポーチを買いました、もう少し大人の雰囲気が出たらストールが欲しいです)。甘酒や代官餅も美味しいですよ。

2015年12月5日土曜日

ヤキモチ、焼き加減。



弟が家を出て半年以上たった。はじめは戯れ相手が居なくなり寂しかったけれど、離れてみると 見慣れたことに変化を感じて面白い。「意外としっかりしてるんだなぁ」と青年の成長ぶりを垣間みたり。たまに会えると嬉しくて思わず はしゃいでしまうのが 我ながら恥ずかしい。

何より、弟に手をかける事のなくなった 母との時間がグンと増えたのが、嬉しい。顔を合わせる時間は変わらないけれど、ずっと色濃くなった。育ち盛り・メンズ食(肉!米!)ではなく好きなものを少しずつ作って、その日あったことを話したり、掃除や洗濯は「出来る人が、出来る時にやる」など。程よい距離感で、気さくな心遣いが続いている。当たり前かも知れないけれど、忘れていた同居の心得。家族なのに、家族だからかな。

お猿(弟)が居た時の母は なんだかんだ 世話して世話され、ぶーちゃん(わたし)は沈黙してそれを見ているしか無かった。すると蓄積した ぶーのヤキモチが、焼きすぎて爆発することもしばしば…。ボーンのバーンだ。

母が息子離れしたのと同時に、娘が餅を焼くことも減った。今は母娘互いに、甘え、叱咤激励して過ごしている。尊敬しているから、からかえる。しょーがないなぁと許せる。最近の母の口癖は「私がボケてもいじめないでよね〜」なのだ。こういうとき、ツッコミ役が2人いると ボケの愛らしさが倍増するのにな。

母と弟は素材が良く似ていて、私は父に瓜二つである。並んで歩けば親子丸出しである。だから私は父も大事にしたいと思う。口下手で 誤解されるところも よく似ているから。こうして いつまでも家にいると、見かねた祖父が「そんなんじゃ おまえ、お嫁に行けないよ。じいちゃん、死んでも死に切れないよ〜」などと嘆く。私はそれを 遺言だと思って 聞き流している。

(写真はぶーが幼稚園、猿がバブだった頃のもの。加工しなくても味のある一枚。)

2015年10月3日土曜日

おしらせ



岡山のショップ「あしたのこと」にて開催される〈 BROOCH LOVERS MARKET 〉に出品させていただきます。


今回は手法新たな「窓辺のブローチ」と「お花ブローチ」を納品しました。秋冬のコーディネートにおひとつ いかがでしょうか。

10/9からはWEBSHOPもスタートです。宜しくお願い致します。

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// BROOCH LOVERS MARKET //
2015.10.5〜25
open 12:30-17:30
close水、日曜日 (最終日10/25はopen)
☆期間中オープンするBlooch lovers market web
→(10.9open予定) https://broochlovers.stores.jp/
☆10/18は香川県にて開催のデザイナーズフリマで、あしたのことブース内にてブローチラバーズマーケットが出張予定。
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◎ACCESS:
あしたのこと/kicca jewelry studio and shop
岡山県岡山市北区奉還町4丁目7-15 NAWATE内
http://accir.tumblr.com/

2015年9月20日日曜日

銀座のフタ


私の来る銀座は いつでも雨だ。銀座のみならずギャラリーや美術館へ行こうという日は 大概 雨が降る。しかしどういう訳か、今日は暑さ残る 晴天であった。

G I N Z A .
まだ 慣れ親しまない街だから 他人行儀に お洒落して行くのが楽しい。着慣れた麻のワンピースに、革鞄と黒靴を キチンと合わせて。「銀座なんて庭よ、庭」といった顔はせず、かと言って田舎娘にも成りたくない。目的地に集中し、大通りを いざゆかん。観光客をスムーズによけ、ご年配マダムの傍をゆっくり追い越す。道に迷ったら その場で足を止め、カカトでスローに 一回転。顎を上げ、ビル高くまで重なる 看板を探す。

今日は、友人に勧められた展示を見に来たのだ。ギャラリーは狭い入口ビルの7階で、こんな所にヒトが来るのかしら、とドアを開けると 8人も居らした。下界と上階の 異空間差が おかしくて、大人だった。惚れ惚れする絵を堪能し、一息ついて そこを後にした。


実はもうひとつ 目的があった。
「資生堂パーラーの花椿缶が ほしい!」である。来月からパッケージリニュアルで白缶が無くなる事を知り、あわてた。まるでオイルショックだ。資生堂パーラーも同社の化粧品も無縁であったが、ホワイトデーに ここのチーズケーキをいただき、その包装紙 (ターコイズブルーと金文字) の格好よさに、ようやく興味を抱いたのだ。

本店へ向かうと、白缶は 既に完売であった。伺うと 向かいの松屋銀座に在庫ありと分かり、ホッとする。( 弟に食べられたと思っていたオヤツが、実は残っていた!時のような「ホッ」である。何が何でも欲しい訳ではないのに、こういう時に滲み出るニヤツイタ顔が 大嫌いだ。)

まだ、新しい思い入れの無いこの缶は、いつか 味わい深く 錆びつく。私もいつか 錆びるのだろうか? 新品のままでは いられない。しかし 錆びてフタが開かないと 上っ面だけを整えることになる。中身をよく 入れ替え、銀座の大通りをすんなりと歩ける度胸、朗らかさを詰めた そんな缶になれたら。

次の銀座は、傘がいるかしらん。

2015年9月11日金曜日

神保町の片隅で。


八月の末、神保町の夜。
友人ふたりに混ざって、居酒屋の片隅。

彼らは美大4年間、いつも二人で居て 女の子とはあまり話さない様子だった。そこには 私の知れない〈彼らだけの楽しみ〉が在るようで、こっそり うらやましかった。同じ研究室に入ってからも 私は所在なく、浮ついた心のまま過ごしていた。

気鬱だったある年の文化祭。ため息まじりに 準備中の校内をほっつき歩いていると、手放しにしていた 文化祭の出し物である壁画を、「なんとか完成させよう」と 二人が残って描き続けていた。日も暮れかけだから、塗った色が判断しにくかっただろうに。

その時の私は もう〈なんでも、どうでもいい気分〉で、彼らの描くのをただ側で 眺めていた。一緒に描いたか、邪魔しちゃいかん と見るだけだったかは忘れてしまった(もしかしたら「残ってやってけ」とは 実行委員だった私が言ったのかも知れない。)…そうやって、その時も「仲良しでいいなぁ」と 駄目駄目ジッコーイーンは指をくわえていた。


そして先月。卒業後 2年ぶりのM君と、去年 展示に来てくれたY君。「…まさかこの3人で呑む日がくるとはねぇ」と (いつもの)二人と、特別ゲストの私が、口を揃える。きっかけは、M君が旅先ブログに載せていた神社に「私も行ったよ〜!」と連絡したことだった。いい所だったので、お礼を兼ねた久々のメールだった。

すると なんと、定期的に開く二人会に「おいで」との お声がかかった 。もう嬉しくって それから一週間、私のシッポは ルンルン回転を続けた。呑み会はとても楽しく、あっという間だった。ほどよく酒のまわった じーちゃん(Y君)が隣のソファに沈んでゆく姿や、M君が親戚の おいちゃんみたいに「美味しいからさ、あったかいうちに 食べなよ」と 唐揚げをすすめてくれるのも、もちろん 絵や大学時代の話も 面白かった。一方は漫画家に、もう一方は繊細な絵を描き続けている。

私はこれと言って胸を張れるものは ホントはないくせに、作りためたブローチを ちゃっかり ハンカチに広げて披露した。喋れば喋るほど 的を得ない 拙(つたな)さが あらわになってゆき、恥ずかしかったなぁ。

あれから、前進する二人に影響を受けて 小説を 書き始めた。今の自分の気持ちを「カタチ」ではなく「文字」に ただして 知ろうと思ったのだ。すごく恥ずかしいものが出来るだろうけれど、それでもいいや。

ちなみにあの時、壁画の前で 私は彼らに アンパンマンチョコを差し入れたそうだ。果たして オヤツで二人の心は釣れたのか。私には〈 夜通し眠たげに過ごして 、明け方に ドーナツとホットミルクで 別れたいような 〉、面白い二人になったけれど 。

2015年8月29日土曜日

秋のこと



夜、気がつくと秋虫たちがリーリー鳴いている。リリーと名付けて羽音を愛でているこの頃は、日が落ちるのも早くなった。

大学時代、冬になると皆帰りが早くなり 閑散とした校舎が寂しくて嫌いだった。寒いピロティに一人残り製作をしていた2年生の冬、仲間の少年が「一緒に食べよう」と私の大好きなお汁粉を買ってきてくれたことがあった。あれはドキドキしたし本当に嬉しかった。冬ならではのオセンチに浸って それからしばらく用もないのに残っていたっけ。

今週の月曜日に突然、秋がきた。
その日は仕事も休みで頭も重くて 一日中眠っていた。すっぽり手の甲まで包む長袖のトレーナーを着て、最高に心地よい「そよそよ」と吹く風や揺れるレースのカーテンを見ていたら「これは眠るしかない」と思った。

安心して眠っていたら、突然苦しくなった。胸のあたりが。鼻の奥が。泣きそうになった。ようするに「きゅっ」となったのだ、心が。半分開けた窓から入る風の匂い(…なんとオセンチな台詞でしょう。でも実際、季節で風の雰囲気はがらりと変わるのだ。)それが、大学時代の秋冬の感覚を思い出させた。思い出に浸りすぎるのは良くない。でも楽しいのだ、恥ずかしくてせつなくてワクワクして。

この半年、そんな感覚集めが鈍くなっている。何かを諦めようとしている。「どうせ」という言葉が口先からこぼれそうになる。そういう時は 気持ちを文字におこす。前より写真や絵の数は減ったが、ノートの文字数が増えた。書体に気をつかって描くうちに気持ちが落ち着いてくる。狂気している時は行書のように、もやもや考えながらペンを進めるときはゆったり大きめに。

…前にも同じようなことを書いた気がしてきた。
感覚が止まっているのだ。

2015年7月11日土曜日

絵のおしごと3


梅雨時の晴れ間は、こんなに快いものだったかしら。遠くしらけた雨の音、色濃く水を吸ったコンクリートや植物も好きだけれど、やっぱり晴れの日っていいものだ。洗濯物をバッシバシ干せたり、扇風機で髪を乾かせたり、サンダルでペタコラ歩けたり、購買意欲があがったり。

湿った気持ちを乗り越えて、いただいていたお仕事をひとつ、完成させました。怪しく愛嬌のある物が揃う古道具屋〈花と古道具urikke〉さんのショップカード(兼 名刺) を創らせていただきました。オレンジは使い慣れない色ですが、気に入って頂けたイラストと店主さんの雰囲気からセレクト。きれいな深緑のグラスや、花サボテンも扱っているので、そこにあったら目立つかなという…制作意図でもあります。

今日明日、科学技術館のジャンクショーにて出店中とのことです。土日の骨董市など、ご夫婦で出店されているので気になる方はぜひ足を運んでみて下さい。

花と古道具urikke
http://urikke.exblog.jp

2015年5月27日水曜日

埼玉のおばちゃん



5月中旬 埼玉に行った話を。

私には田舎がない。小学校の夏休み、べつに面白いこともなく「お盆ってな〜に〜」とブーたれる私と弟を、母が埼玉の大叔母(母のおば)の家によく連れて行ってくれた。田んぼの蛙、似た造りの家々、知らない子が通う小学校、弟と二人乗り自転車、今は亡きおじさんが教えてくれた美味しい切身マグロの見分け方…もうだいぶ前のこと。懐かしい田舎の記憶になりかけていた。

久々の2連休には 思い立って埼玉を選んだ。そういえば一人で遊びに来るのは始めてだ。おばちゃんに会うのは祖父の葬式以来6〜7年ぶり。穏やかで刺繍も料理も上手な、血のつながった私のおばちゃん。

駅に着くと互いに「変わらないねぇ!」と言いながら「お腹空いたでしょ、一人だと入りにくいけど、ここ美味しいのよ」とエキナカの〈餃子の満州〉でお昼を食べた。おじさんが亡くなってからずっと一人で暮らしているけれど、早朝のお経を唱えてからのウォーキング、お料理・ヨガ教室など 近所の明るい おばちゃん達と元気な日々を送っているご様子。24の私より、70のおばちゃんの方がずうぅっと健全のように思えた。


夜は手料理を頂きながら 色々な話をした。仕事を始めてから気づいたこと、出来るようになったこと、作家活動、家族のこと。ペースよく3杯目のワインを飲みながらおばちゃんは、母が私くらいの頃の話や、私が生まれるずっと前に病死した祖母の話を聞かせてくれた。思わず、二人して涙目になってしまった。私がこうして少し浮世離れしながら生きていられるのは、母が背中を押したり、さすったりしてくれるからだ。どんな想いでこんな宇宙生物を育ててきてくれたのだろう。たった二日だったけれど、すごく元気が出た。

帰る日、2階の本棚から気に入りの作家を見つけ「おばちゃん、これ借りていい?」と聞くと「そろそろ遺品整理始めるから、あげるよー」と笑いながら話せるのも嬉しい。帰りの電車で読んだらすごく面白くて、すっかり気に入った。大切な遺品に育てられそうだ。

2015年4月29日水曜日

絵のおしごと2


「原点」を大切にする会社〈あきゅらいず美養品〉。2年前にDMデザインで携わらせていただき、今回はWEBのトップ画でお声掛けいただきました。

スハダのヒト。落とし込んでもらうと、あぁここをもう少し…!という反省点が浮上してきますが、精進します。こうして数年経て また起用していただけることが嬉しいです。


あきゅらいずHP:http://www.akyrise.jp

2015年4月27日月曜日

最高の甘え


昨日は乃木神社蚤の市へ。お目当ての出展者さんに 会うのはまだ二度目なのに、一緒に地べた座りしてポツポツ黙々と話せちゃう。何故だか〈学校机の木目〉を思い出させるヒト。机って色んなニオイが 木目に染み込んでいるでしょう。「そうそう、こういう気持ち。思い出したよ。」と気づかせてくれる おヒトなのです。

部活で先輩後輩との関係を避けてきた私に 大人の友達が増えるのは本当に不思議で面白い。こうして仲良くしてくれる10歳 20歳上の方々は皆、弱さをこぼしてくれるから 惹かれます。すると私も尻尾を振って バカになれる。バカになれるって最高の甘えだぁ。

何歳から、何を持って 大人と言うかは、死ぬまで追いかけっこだと思う。胸はって歩いてるつもりが スカートめくれてた〜!社会の窓開いてた〜!みたいな。真面目が不恰好で可愛いのとは違う、見栄っ張り故の 惨めさよ。

木目さんが昨日、私の言葉を好きだと言ってくれた。ひとりの期待が 分散して、また新しい出会いがあれば…恥さらしも 悪くないよなぁ。花と古道具urikkeさん、29日水曜日は有明レトロフェスティバルに出店とのこと。骨董市って面白いですよ〜

2015年4月12日日曜日

絵のおしごと1


知人から「裁縫が得意な 幼なじみに絵を送りたい」とオーダーを頂きまして、どんなのがいいか一緒に考えながら即興で描きました。幼馴染みさんは 洋裁がとっても上手で、2歳と4歳のお嬢さんは、お母さんの創る服やビスケットが大好きとのこと。

「送ってもらった ハギレを使って作品を創りたい」というグッド・アイディアのもと、友人宅で作業開始。子育てでお疲れ気味の友人&ベビーが昼寝している隣で ひとり黙々と作業をする不思議な空間。寝息のBGMが心地よい。マッコリ片手に作業を進める…。



子供の絵をちゃんと描くのも コラージュするのも久々で、すこし緊張しました。でも仕事を始めてから、丁寧な姿勢で 手仕事が出来るようになり 楽しくなってきています。今までは人の反応を見て それが原動力になっていたけれど、自分の中で前進する力を見い出せたこと、それを生かしてくれる人が居てくれることが なんと有り難いのだろう。お礼に お手製パンと3食付きのお泊まりサービスを受け、またいい感覚(あじ)を覚えてしまいました。





2015年4月10日金曜日

名付ける


持つかどうかは さておき、
たまに 子供の名前を考えて遊んでます。

自分の名前の のんびりした雰囲気を 
共有できたら嬉しいな と思って。
呼び音の響きって、性格の築きになると思うのです。

2015年3月26日木曜日

すってぇ はいてぇ


いつのまにか春に肩を抱かれ。
いつのまにか求めた癒しから
こんな子が誕生しました。

ほよよぐちの ネムネムです。
春だからね、まだ眠いんだ。

この頃は 気が張って、
息の仕方が分からなくなる。
ため息ばかりついて どうにか
安定しようとする。浅い呼吸。

新しいところに行くような
元に戻って行くような。

息を吐かねば 次の息は吸えないから
ま、これでいっか。

2015年2月20日金曜日

部屋が鳴る


年明け。二世帯住宅の親戚の家で祝酒を交わし ひと賑わいすると、じーちゃんが居た一階の部屋へ とぼとぼ 降りて行った。どうしても一人になりたくなるのだ。考え事をしたくなるのだ。整理された 死んだじーちゃんの部屋のベッドに ボムッと身を投げる。

二階で皆と一緒に過ごしている ばぁちゃんは、今は施設暮らしなので、ここ一年くらい 人の気配はあまりなかったと思われる一階。

ベッドへ身投げし、ふ〜ぅ…。と溜息をつくと、この一間が静かすぎるのに気がついた。部屋中が 音をすっかり吸い取ってしまい、まるで真空状態だ。床も壁も天井も内側に向けて窮屈に鳴いているようだった。

不思議な気分。耳鳴りがする。常に 音で溢れる土地に 身を置いていることや、閑静な夜路も 足を止めずに歩いているのだと気づかされた。〈静寂〉とはこれかぁ と思いつつ、隣にじーちゃん来てたかも。とも思う。

いま悩みごとがある。一人でゆっくり考えたい。考えるのは、自分でも気付かぬうちに だいたい決めている応え を確認するため。隣にじーちゃんが居てくれたら ヒントをくれるかも とも思う。

仕事中も電車でも 思い詰めて 苛立たしくなるが、みっともないので抑える。それの繰り返し。あの部屋と一緒。苛立ちが 頭の中で窮屈そうに 鳴いている。殺気立つというか…そういう静けさってすごい力だ。

2015年2月16日月曜日

テレポートできる



窓を開けておくのが好き。
どんなに寒くても 空気を入れたがる。

夜の帰路、風が吹くと 本当に顔がピリピリと痛む。だけど、王蟲がナウシカを包んだように「風が触れてるなぁ」と思うと官能的でさえある。すごく安心感がある。ぜひやってみて下さい。

風は本当に様々な記憶と結びつく。そういう存在と知ってから、ますます「感度」をあげるよう努めている。2年前、山奥で働いた土地を離れるとき。土やその周辺を 都会でも思い出せるようにと、一番好きな場所で全神経を集中させた。だから都心に居ても目を閉じれば神経はテレポートできる。細部ではなく全体に戻れる。


今週、修繕工事で 我が家はマンション丸ごと網の中に入る。窓をあけても騒音やペンキの匂いが流れ込むばかりになるのだ。残念だけど、こればっかりは仕方あるまぁ。工事の間はできるだけ外へ行き、好きな土地を増やそう。

2015年2月4日水曜日

チマチマつなげて一人



なんだか 落ち着かない。

後藤健二さんの、伝えようとしていた姿勢 を知って「わたし 自分の内側から外に向かうこと怠っているな」と思った。チマチマ発して チマチマ反応があって。それで嬉しいけど、その筈だけど、このピンとこない感じは そうじゃないってことだ。

身体中、怒りと哀の粒子が走りまわる〈チマチマ〉ゆえ〈チマチマ〉する。人の所為にする、自分の所為にする。それは違うってこと、そういうことを考える 大事な時間を、気がつくとカットしている。「のびのび生きるんだ、難しいことは忘れて良し。」と思っている怠け者

大声で世の中に物申すより、近くのひとをツンツンつついて〈ねぇ こんなのあるよ。こうすると君に似合うね。でもこうすると変だね〉〈へ?僕これ似合うの?あらそう?こうすると そうだな、こっちは君に似合うみたい。〉という…そんな、小さくても刺激性のある〈作用〉でありたい。

後藤さんだってチマチマを長く繋げて出来た一人。殺害を実行したイスラム国の人間だって、正しいと思ったチマチマを繋げて出来た今の一人なんだ。そう考えると私のチマチマ真義は揺らぐ。個人とは なんと怖いものだろう。それでも この子らがたくさん泳いで届くように、流れをつくらねば 。じいちゃんが死んだ時もそうだったけれど、亡くしてから気づかされる事は沢山ある。

薬と一緒。私が〈作用〉する人や物事は 全てじゃない。大半が互いにハズレくじ。じゃぁ生きてる間によ、できるだけ作用する人を見極めてくじを引いてもらおう、引かせてもらおう。

イスラム国は憎しみを原動力にして 一体どんなところに腰をおろすのだろう。赤信号を手繋ぎで渡るグループは無理でも、銃やナイフを突きつけてくる〈個人〉になら 命をかけてようやく一つ、なにか遺せる気もする。書きつつ「命がけ」には賛成出来ないな とも思う。仲間・繋がりの包容力って善悪の紙一重なんだなぁ。





2015年1月24日土曜日

パン・チャージ


先輩のお宅へ嬉しいお呼ばれ。

焼きたての手作りパンとチキングリル、バジルソースのサラダでお出迎え、なんたる しあわせ〜!


通い始めた パン教室用に買ったという 新品のノートに表紙絵を描かせてくれました◎ 高校生のじゃれあいとはちがう「絵を描いて」というご依頼(=仕事ではなく、ちょっと生活に彩りを足すこと)ってあまり無かったので、すごく嬉しかった!人前で絵を描くのは多少 力むものですが、不思議とスラスラ〜と鉛筆が進みました。いつも音楽をかけて作業をするので、その波長が合っていたのかも知れません。ジャズなんぞかけちゃって、雰囲気に酔える 素敵な午後でした。


パンもブローチも絵も試行錯誤の繰り返し。新しい手法も考案中です。まだ 挫けないぞー!



2015年1月13日火曜日

ものずき


先日、骨董市に オオカミ・ブローチ(下 写真)を着けて行ったら、お店や通りすがりの方々が目に留めてくれて。こういう「ものずき」な人が集まる所が 私の居場所なんだと、それを実感できて とても嬉しく思いました。

このブローチは 陶土の初期作品で〈お護り〉として創ったものです。それから2年 独学(というより感覚)でブローチを創り続け、キレイに仕上げる力がつきました。ゆえにか 何故だか今は〈いびつさ〉が出せなくなってしまった。どうしてかしら。もっともっと表情のあるものを創り続けたら、味わい深いものが出来るかも。基礎を知らずに始めたんだから これで順調なのだ。

嬉しくなって久しぶりに濃いものを創っています(上 写真)。最近はお花など万人受けするものを創っていたから、時間が掛かっても個性のあるものを。「買いたい」と価値を見いだしてくれる人が居るのならそれに応えていきたいです。




2015年1月11日日曜日

ほがらか に吹く


今年 得たいものは「 朗らかさ 」です。なんとなく考えていたらピンときたのでこれにします。なんとなくでもピンときたなら、それであってる気がします。

ほがら・か朗らか
心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。

なんと!「明るい」とな!私にはあまり似合わない言葉だ。どちらかというと「暗」が好きで、よく頂くお言葉は「落ち着いてるね〜」。キャピキャピとはかけ離れているのだ〜。でも大学を卒業してもうすぐ2年。わたし、ちょっと変わりました。「暗」から「陰湿さ」が蒸発していったようです。これって、すごくすごく!よかった〜。

人生2度目の暗黒時代である4年前、「自分(プライド)崩し」を心に決め、不器用ながら それは地味に地道に従って参りました。「明るくなろう!」というより「すがすがしく 底抜けに」というニュアンスが近いです。「心にこだわりがなく」というのは「陰湿さ」や「押し付けがましさ」「不快感」を与えないっていうことなんだろうなぁ。

とくべつ面白いことを言える訳ではないし、相変わらず一癖、二癖あるけれど。それは同じ「湿」でも台風の前の怪しい温風の「なんか来るよ・・・!」に似た刺激になるといいな。言ってる事分かってもらえるか分からないけれど、それでもいいんだ って思えるようになったのが 今年始めの一歩です。