2014年6月3日火曜日

大人シガレット



夜になると、隣の老人ホームから煙草の匂いがしてくる。ジジババやるな〜!と思っていたら、世話人のオッサンが外のゴミ置き場横で吸っているのであった。

私は煙草を吸わない。嫌いな訳じゃない。中学生みたく、喫煙する〈大人〉への憧れがある。それでも吸わないのは、一度吸ったらコントロール出来ないくらいハマってしまいそうだからだ。なにか嫌な事、もしくはニヤついてしまう様な良い事があった時、それはそれは渋く旨そうに吸う事だろう。ドラマの主人公仕立てにして平々凡々な日々を美化するのだろう。

しかし真面目で臆病な僕ちゃんは、だから吸えない。時々、そんな自分がアホらしくなる。中高生で吸い始める子が周りに出てきた頃、私はレトロな雰囲気に溺れており「シガレットチョコ」片手に、これでいいのだ!と思っていた。実際それで良かったのだけれど、俗に言う「ちょっとつまらない子」になった。地味なクセしてアウトサイダーになりたがるから、だいぶネジくれていたに違いない。

あーぁ、どうしていつもこーなのかしら!私だって煙草やジャージ、茶髪やTSUTAYAが似合う女子になりたかった!(蔦屋については後日語ります。)

そんなこんなで、喫煙者はみーんな自分に酔っている!と私は解釈している。自分だったらそうするからだ。煙草が嫌いだった二年前までは、「煙草=イライラした時に吸うもの」と思っていたので、一緒にいる時に吸われると「な、何か気に触ること言ったかしら、なんでこの人楽しそうに笑ってんのに煙草吸うんだよ」と思ってた。でも「楽しい時にも吸いたくなるんだよ」と某喫煙者に聞いて以来「へ〜そういうもんか〜煙草ってー!」と妙に納得してしまったのは何故だろう。

そして今、隣の老人ホームからくる煙草の匂いが不快ではなく「別に悪くない」と感じられる。これは私自信、煙草を吸わずとも大人になったのでは!とも思えたが、例えばそのオッサンが老人ホームでの仕事に疲れてウップンを晴らすべく吸っていると思うとイラっとするのは何故だろう。(この場合、ほぼ後者の理由で間違いないけれど。)

相変わらず喫煙という行為に〈善悪〉をつけようとしているのは、アウトサイダー・僕ちゃんなのであった。