2013年7月16日火曜日

並べる図書館のドキドキ


家から40秒の所に図書館がある

小学生の頃、本は好きだったけど
「図書館はお勉強する所」という
イメージが強くて近寄らなかった

(クーラー涼しいから図書館で宿題
やりなはれ、という母の失敗かな)
………

本は好きだったと云ったけれど
それは(どちらかといえば好き)で

しかも(どちらかといえば絵とか
写真の多いものが好き)で

さらに(それを気分的にパラパラと
めくって、その微風を顔に感じる
のが好き!)

という、こだわりようだった

よって今でも
好みの本を新たに、捜す時には

①文頭1、2行目のシックリ感
   (言葉の呼吸がわかるもの)
②表紙(タイトル、装丁)

このふたつで決める
買うか悩んだ時は、パッと開いた
ページを読んで、引き込まれるか
どうかで判断する

私がすぐに、なつけるもの。
………

そんな、こだわり本達のお陰で
本が好きになり、この頃すこし、
図書館も好きになった

休日や、平日の夕方にもなると
貸し出し口に、長い列ができる
私も5、6冊抱えて静かに並ぶ

だけど、列が縮むにつれ
なんだか緊張してくる

なんでかなぁ、あれ?
カードっていつ出すんだっけ?
ドキドキドキドキ
………

ドキドキのわけは、お通夜の
お焼香の列を思い出していた
からなのでした

お母ちゃんの喪服の裾を
引っ張りながら、あと8人…

弟がソワソワするので
お姉ちゃんしっかりしなきゃ
あと6人…

え、オカンと弟2人でやんの?
私、この知らんおばちゃんと?
あと4人…

えと、最初にお辞儀かな、
手は叩くんだっけ、
つまんだやつ、どうすんの、
手、焼けない?!

(で結局、横目でマネしながら
無事おえる)

そんなドキドキの思い出


でもやっぱり

ほれ、今日はじーちゃんが好き
だった今川焼を買ってきたで!
って仏壇にお供えと線香あげて

その今川焼きを食べながら
本を読むのが一番好きです











2013年7月11日木曜日

しょぼくれ時



どうしたって
しょぼくれる時がある

ビョーキかな
熱があるかな
お腹痛いかも

仮病小学生みたいに

しょぼんじゃって
ヘトヘト歩く時がある

膝カックンされたら
ありがたく転ぶだろうよ

それで地面に片頬つけて
すこし、安心する

あーこれが心臓音かもね
雨が染みたコンクリート
近所の蚊取り線香…ぐるり

だんだん、
ゆったりと時間が溶けて
回復しはじめる

でも今日はそうじゃない

ヘニャヘニャと
もたれる椅子を捜してる

椅子は、どこかな、

どんな椅子が座っていいやつ?
そもそも、そんな椅子を
持っていたっけ

………?

2013年7月8日月曜日

めぇ めぇ、する


あなたの名前はなんですか

私の命につけられたのは、
祥乃(よしの)という名です

私もいつか子を産んで
その命に呼びかけたいと思う

名前は「音」なので、呼んだ時に
できるだけ穏やかさが響く名前に
してあげたい

呼音は長年かけて性格に浸透する

私の名はO(オー)がふたつ入るので
のんびりした呼び名だ
yo(O)shiiinoO といったかんじ

案の定、温室育ちのお嬢になった

新しい命の名前
いくつか候補がある

音も漢字も、風を感じるような
ものを使いたい 日本人らしい…

今まで素敵と思った名前は
少女なら、かのこ・きぬの

風鈴とか布、お豆腐が似合う
そんな雰囲気…

_ _ _ 
私の母はいつも云っている
「親は子供に育てられるのよ」

名前は与えるものだけど
長い年月、その名を共有し、
その子が歳をとったとき
革財布のように味わいを増す

その時にやっと親の、
命名という役目が果たされる
そう思う

まぁ、なんにせよ
愛持って私の名を呼んでくれる
お相手を見つけなさいよ、って
ハナシですな、おほほほほ




2013年7月6日土曜日

呑めない珈琲


珈琲の存在感が、とても好きです
でも飲めません、酔っちゃうので


そう、珈琲を淹れましょうか

木製の椅子を引いて立ち上がり
湿気で点火の調子が悪い、
コンロを叩き起こす…ボッッッ

青と黄緑と紫、白の炎が点いて
チッチッチッチッという音を
たてながら水が温くなってゆく

湯が沸く合間にコップをえらぶ
色は季節に合わせてえらび
口は少し厚めのものがいい

ペーパーフィルターの端を丁寧に
折りたたみ、挽いたばかりの粉を
ザッザッザッとその中に移す

人さし指を立てて、
粉の真ん中にすこし押し込み
「コピ・ルアック」と唱える

カモメ食堂で覚えたオマジナイ

手元にかかる熱々の湯気を
吹き払いながら、湯を注ぐ

そーっと、そーっと
私はこの時間を大切にしてます
ほら見て見て〜といわんばかり

…カンペキだわ!
香りもいいし、色もとてもいい
ベランダのミントも、曇り空も
机上の散らかり具合も丁度良い


だけど飲めない、カフェオレも
後で鼻がムズムズしちゃうので

なので母の為に珈琲を淹れます
雰囲気だけ、十分に味わいます


珈琲が飲めたら大人なのかな
たしなむ、って何かしら