2016年3月28日月曜日

いつでも神保町に。


やっぱり神保町が好き。

冬も春も、ここの喫茶店は変わらないみたい。冷たいすきま風の音や マフラーを外す仕草も好きだけれど。通年かわらず 壁ごとタバコ臭くて、隣のヒトの声が くすぐったくて、ノートとペンの世界にどっぷり浸れる…実はそういう演出された街なんじゃないかしら。

「本の街だから」という単純な動機で、時間がある時には 気に入った本を一冊買って帰る。今回は 沢山の花が描かれた「植物百科図鑑」。前回は「花の画集2/佐藤達夫」を。花の絵、上手になりたいんだ。

4年前に訪れた文房堂さんで買った アンリ・マティスの金魚の絵のポストカードは とても気に入ってしまって誰にもあげずに大事にしていたけれど、この「素敵!」をお裾分けしたくて 今日は大人買いしたもんね。

そしていつか この街で綴ったノートを見返して 懐かしむんだわ。

2016年3月17日木曜日

地味子



小さい頃は土が近かった。身長からして当たり前なことだけれど、言い方を変えれば「土から離れてしまった」だ。近所を散策していると足元の野花に目がとまる季節。ホトケノザ・ユキヤナギ・オオイヌノフグリ・ハコベ。タンポポ、ハルジオンはまだ見ないけれど。

小学生のころ 春先の外掃除が寒くて、陽の当たる花壇を眺めてボォとしていた。たまに猫が隠した ネズミや鳩の死骸があったけれど平気だった。「猫も可愛いだけじゃないよね、自然だわ」と思えば怖くなかったし、非日常の風景が特別に思えた。でも人工的な花壇の側に長くは居られない。大量に植わるパンジーが「わりと万人ウケしますよ、あたしら。」という顔して 掃除をさぼる 私を責める気がして、それに先生が向こうから来るのが見えて、仕方なしに掃除に戻ったっけ。

土地柄 リッチで成績優秀な子が多く、ヒトの二分化を知った小学生時代。パンジーは人気者。ブランドの子供服着て可愛いヘアゴムしてる子が人気者。 雑草は地味でしょう。体操着が似合わない、オールユニクロの私も 色気なしの地味子。けれど 地味子は、パンジー達が気づかない 雑草や野花の愛らしさを上手に見つけたし「その世界に居るのが私の性分らしい」と気づいていた。


そんな中で育んだ「地味子精神」は今の私の原動力になっている。このブログで幼少期の話が多いのは、結局これが無いと今を語れないからだ。時間が掛かったけれど、ようやく自分に似合う雰囲気もわかってきたし、大事な事は少なくてもいいんじゃないかしら。今では花壇に植わる花も、誰かが手を掛けたと思えば悪くない。ちょっと しゃがみこんで土をいじりたい。なにか大事なことをもう一歩、思い出せそうな春先。